浅見美富行政書士事務所メールマガジン

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                                           メルマガ11号 
2006/7/15 
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皆様、イヤな梅雨ももうじき終わりになりますね。
そんな中でのアメリカ生活や大阪での仕事など、
あわただしい六月の日々を過ごしていました。
文化の違いやその土地の方々との触れあいは、
今後の考え方に大きく影響するに違いないと感じました。
自分自身を常に庶民としての感覚を持ち、
王道の人生を歩みたいと願う行政書士の浅見美富です。
今回は、前回のお話とまた違った事例の遺産分割協議書のお話と弱者には優しさをの話です。
二つとも長い文章になってしまったので、二つのお話で失礼しました。


★☆ INDEX ☆★
1 遺産分割協議書の重要性について(遺言者は遺言執行人に全てを託すもの)
2 弱者には優しさを



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遺産分割協議書の重要性について
 (遺言者は遺言執行人に全てを託すもの)

 今年の4月16日に配信させていただきましたメールマガジン(バックナンバーで掲載)で、
掲載させていただきました遺言者が平成18年3月27日に他界なされました。
遺言執行人に指定していただきましたので、公正証書遺言で遺言執行しなければなりません。
主たる遺産相続に指定された相続人と打ち合わせをした際に、被相続人の49日法要を済ませてから、
遺言執行業務を遂行したい旨を伝えましたところ、その相続人も同様の意向を示されたので、
遺言執行の段取りや打ち合わせが完了しました。
それまでは、遺言執行者として民法1011条に基づく【遺言執行者の財産目録調整義務】を果たさなければなりません。
財産目録が完成した際には、その主たる相続人に対してその目録を交付しなければならないのです。
公正証書遺言を作成する際にも、自分の財産を保持している遺言者から財産内容を確認していますけれど、
遺言執行人として、確実に遺言執行するには、周囲が無駄と称しても財産調査をする必要があるのです。
 そして、財産調査をした結果、お住まいになっていた大阪府のマンションの所有権が、
公正証書の遺言者に所有権移転していないのです。
昨年の8月19日にこのマンションを所有していたご主人が死亡し、
遺産分割協議書による財産分与の相続を執行し、このマンションがこの度の遺言者に所有権移転されていないのです。
つまりは、昨年作成された遺産分割協議書が不備な書類となり、
片手落ちの所有権移転登記を執行したことになっています。
マンションの所有権は、建設した会社や不動産会社により思考が違いますが、
共有する物件が多くある場合があります。
今回のマンションの所有権は、個人所有の部屋と個人所有の駐車場並びに共有する財産を所有し、
その所有者名義の該当する物件は6物件でありました。
そのうち3物件の相続の所有権移転登記手続きだけを完了し、残りの3物件は、死亡したご主人名義のままで、
相続手続きの所有権移転登記がされず、残したままになっているではありませんか。
その事実を今回の主たる相続人に説明したところ、相続人はひどく激怒し、
高水準の大型テレビが購入できるほどの報酬額を支払いながら、相続手続きが確実にしていなかったことを初めて知り、
そのご主人の相続手続き執行した関係者に苦言を呈してほしいとお願いされました。
その執行者は、〇〇信託銀行なのです。多くの国民が認知している、
現在テレビ放映で「貴方の財産を守ります」とか「第二の人生をお手伝いします」とCMしている会社でした。


【遺言執行者として業務】

 私に依頼し他界した遺言者の悔しさをどのように伝えようかと毎日悩みました。
該当するマンションの権利書を拝見した際に、少しの疑問がありました。
きちんと所有権を分割して販売した会社なのに、何かが足りないと感じたのです。
大手の〇〇信託銀行が主導で、司法書士が所有権移転登記をしたのだから大丈夫にしても、おかしいと気が付いたのです。
その旨を遺言者に伝えて、必ず『全ての財産を〇〇に与える』と入れてほしいと切望しました。
「〇〇信託銀行がしたことだから、間違いがないと思います」と遺言者がお話ししても、私には信じ切れませんでした。
その資料はどこにありますかと尋ねても、私が切望する遺産分割協議書の存在を認識していませんでした。
遺言者からすれば、マンションの権利書さえあれば、安心だという思いで一杯だったのでしょう。
同席していたご主人の相続人でもある〇〇さんが、私のところに遺産分割協議書がありますが、
それが同じものであるということで私は少しは安心しましたけれど、
そこに押印されている実印の印鑑証明書が一緒になければ、大きな安心とはいえないのです。
3月27日に遺言者が死亡し、相続人の〇〇さんが大阪府の今は住んでいないマンションを訪ねて探していただいたところ、
遺産分割協議書の正本と印鑑証明書の複写したもの、戸籍・除籍等の謄本を複写したものを発見したのです。
それで今度は、誰がこの印鑑証明書の正本と戸籍・除籍の正本を保持しているのだろうと探しましたら、
〇〇信託銀行が保存しているではありませんか。
その大事な書類は、直ぐさま相続人に返還するように依頼しましたら、1週間もしないうちに返還されました。
何故、〇〇信託銀行が大切な印鑑証明書と相続人を確定する戸籍・除籍等の謄本を保存しなければならないのでしょうか。
大きな疑問になった私は、相続人と相談したうえで、
〇〇信託銀行に保有する預金の相続手続きのために大阪に出向かなければならないので、
遺言者と主たる相続人の怒る想いを秘めて、大阪へ行って来ました。


【遺言執行者の言い分】

 遺言執行者は、遺言者の名代として遺言者に成り変わり、執行するものであると考えています。
遺言者がなしえなかったものや確実に相続手続きを確実に遂行することも、遺言執行人としての責務であろうと思うのです。
ですから、遺言者の絶大なる信頼を得て、遺言者の意思も確実に遂行すべきなのです。
そのために、遺言公正証書に記載できなかった遺言者の考えや思い、相続人に託す理由を伝える仕事もあるのです。
それを事務的に済ますものではなく、その感情も伝えるべきだと考えています。
 遺言者が、この事実を知ったとしたら、さぞかし悔しがったことと感じられます。
確実に相続手続きが遂行されているものと思っていたでしょうし、〇〇信託銀行には多額の報酬を支払っているのだから、
安易に大丈夫だという安心感もあったと推測いたします。
しかし、確実に遂行されていない相続手続きによって、遺言者に所有権が移転されていないのだから、
今回の主たる相続人には哀しむべき問題であり、遺言者は安心して作成した公正証書遺言の意味がないことを知りません。
遺言者と相続人のこの悔しさを埋もれることなく、罪を犯した金融機関にきちんと言うべきであると感じました。
そして、この怒りをどのように伝えようかと。
 私が思いつき考えた例えを伝え、事例の重大さを認識させるために、
〇〇信託銀行に口頭でしかも強い口調で伝えなければなりません。
その例えは、『遺産分割協議書という高級乗用車があっても、印鑑証明書という鍵がなければ、決して動きません。
戸籍及び除籍等の謄本による相続人確定する資料としての車検証が備えて保証がなければ、高級乗用車は公道を走れないのです。』
それは、遺産分割協議書の正本だけが発見されたとしても、それは無用の長物でしかない。
何故、遺産分割協議書があればいいのかというとその書面の中に『その他すべての財産は、遺言者に与える』というような記載があり、
そのことにより、この相続手続きを完了した後で私が遺言執行すれば、確実に丸く収まるという仕組みになるのです。
そうすれば、相続争議になることなく、現存する書面で相続手続きと遺言執行が完了するのです。
そんな重要な書類を〇〇信託銀行が保存しなければならないのでしょうか。
〇〇信託銀行の言い分からすれば「本人が希望しなかった」との説明がなされました。
説明責任を果たしたと言えるのでしょうか。しかし、遺産分割協議書は、相続人本人が希望したんでしょうね。
だから、遺産分割協議書の正本が、相続人本人の手元にあるのでしょう。
何故、印鑑証明書と戸籍及び除籍等を希望しなかったのでしょう。
おかしいとは思いませんか。
私は、〇〇信託銀行がきちんと説明していないものと推測しました。
きちんと説明をしていたのなら、必ずそれぞれの正本を希望するものと思われます。
何故なら、私の依頼者は、私がきちんと説明をすると必ず各書類の正本を希望するからなのです。
依頼者から「自分が持っていると無くなすから、私に持っているように」と懇願されても、私は決して預かりません。
この大切な遺産分割協議書と印鑑証明書、そして戸籍及び除籍等謄本の正本は、
多額の報酬を支払う依頼者のものだからなのです。
高額な報酬の代償なのですから、当然のことになると思います。
それなのに、〇〇信託銀行によると、相続手続きで請求した報酬額は、
会社の規定する金額の半分に相当するものであるとの説明がされました。
その金額は、大手会社の普通乗用車を、しかも新車で購入できる金額なのです。
つまりは、テレビで放映されるCM代を私達庶民が払わされているという現実に気が付かなければならないのです。
しかも不確実なる相続手続きを執行し、それ以後の何も知らない相続人に迷惑をかけて、
遺言者は不必要な報酬を支払い、損失したと予測されて、ましてや正しく手続きをするためにそれ以後、
多くの労力を費やすことになるのです。
金融機関が要求する委任状や提出書類に、
必ず記載してある文章『なお、本件については、今後私達(相続人)以外の者が権利(相続権)を主張するようなことがありましても、
私達が連帯して引き受け、貴社には一切のご迷惑をしません。』があります。
ですから、今度は私達・依頼者も『書類の不備などで相続手続きができないことで、
ご迷惑をおかけした案件に対しては、私どもが責任をもって対応させていただきます。
その費用は決して請求いたしません。』と金融機関側から書面をいただく必要がありますね。


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弱者には優しさを


 私は、五体満足で生まれてきました。
大病することなく健康を維持しています。
これは、両親に感謝するものであり、この幸せを、弱い人に対して力に替える必要があるのではないかと思っています。
 高校2年生の時に、松葉杖の伸ちゃんと知り合いになりました。
とても明るい人で、勉強も優れ、優秀な成績を修めていました。
そんなある日、高校に伸ちゃんのお母様が訪ねてこられて、
担任の先生に「私の息子は、松葉杖を突くような身体で、不自由な身ですので、修学旅行は遠慮させようと思っています。」と、
しかも彼は小学校と中学校の修学旅行に行っていないのです。
驚いた担任の先生は、仲の良い私と友人を職員室に呼びつけて、
お母様の前で『おまえ達、伸ちゃんが修学旅行に行けないことをどう思う。哀しいよなぁ。おまえ達が責任を持って面倒みなさい』と
一方的に命令されたのでした。
当然、彼が修学旅行に行くものと思っていた私達は、『はい』と言うことが当たり前と思ったのでした。
お母様は、大粒の涙を流しながら、ありがとうの言葉を繰り返していたように覚えています。
 そんなことから、始まった伸ちゃんとの交流は、今は多忙な日々の二人なのでなかなか会えませんが、
多くのことを学ばせていただくことになったのです。身体障害者との付き合い方や接し方は、
簡単なことだと気づかせていただいたのです。
ある日、二人で下校した時の出来事です。
教科書を持ち帰る彼の鞄は、パンパンになっていて、とても重そうに感じました。
そこで、「持ってやろうか」と声を掛けたら、『これから、ずっと一緒にいるわけにはいかないだろう』と教えられたのです。
いずれ違った生活をしなければならない私達。
そんな未来を予測して、甘えてはいけないとする彼の強い意志のしたことでした。
私は、常に彼を助けることができない。
ほんの見せかけの優しさを示したところでどうなるだろうかと考えさせられました。
私の姿勢は、そんな彼を見守ること。
そして、彼が弱音を吐いて、疲れたら手伝ってあげること。
つまりは、普通の人として接してあげることが、一番の優しさであろうと感じたのです。
それから、彼との距離は一挙に縮まり、段々と仲良くなっていきました。
 前職の際に知り合になった車椅子のみなちゃん。
優しい眼差しで話しかけてくれる素敵な人。
伸ちゃんとの出会いがあるから、決して可愛そうなどとは感じないで、
一生懸命生きてねという応援の気持ちで対応することにより、直ぐにうち解けあいました。
自動車も運転する行動派で、とても明るい。
そんなみなちゃんは、今年の冬に結婚したのです。
私に、「女性の幸せは何だと思います」と質問した彼女。
答えられなかった私は、笑顔で愛嬌ある仕草から、バカにされながら『好きな人の子供を産むことですよ』と。
彼女は子供が産めない身体なのに、女性の幸せが味わえない身体なのに、明るく返答する姿は、
私にとってとても痛々しいものでありました。
そんなみなちゃんが結婚しました。
とても、幸せそうに見受けられました。
おめでとうと告げたら、早く浅見さんも幸せにならないと励まされて、
『選びすぎているからだめなんですよ』とおまけも付いてしまいました。
みなちゃんは人生も捨てようと考えたかもしれません。
でも、生き抜いています。
本当に強い人だといつも思っています。
本当に良かった。
お幸せに。
 高校三年生の時に、隣の席にいた岩田君。
優秀な彼は、数学が得意。微分積分なんか、ほんの朝飯前。
お弁当を食べた後の医師から処方された薬を食べていた。
一つや二つではない。手のひらに無数の薬が並んでいた。
「これを飲まないと失明してしまうんだよ」と答えた岩田君。
高校を卒業して予備校に通学していた時に、東京大学に合格することを確約されていたのに、
受験する前に失明してしまった。
卒業してからも、ずっと心配していた。
音信不通になり、住んでいた家も無くなっていた。
風のたよりで聞いた話。
【歩いていてホームの柱にぶつかった】とか【怖い人にぶつかって殴られた】という話。
 ある夜、盲導犬を連れて歩いている彼と出会うことになる。
もう20年ぶりの出来事だから、彼が岩田君かどうか自信がない。
けれど、声を掛ければ振り返るだろうと『岩田!岩田!』。
そうしたら、『誰だ!』と返答があった。
『みとみだよ』と大きな声で言うと、『久しぶりだなぁ』と再会した。
その夜は、遅かったので別れたが、又会う約束をした喜びは計り知れない。
 再会したとき彼が嘆いたのは、盲導犬で飲食店に入店できる店が少ないという現実があった。
優秀な盲導犬。
きちんと仕事をしている。
一緒にお風呂に入るという。
その時は、盲導犬も仕事を忘れるという。
本当に利口なラブラドール・リトリバー。
そこで、私は知り合いの飲食店にお願いにまわって、盲導犬で入店させてほしいと懇願したら、快く引き受けてくれた。
そして、岩田君と飲食店廻りをすることになった。
彼はとても喜び、大好きなお酒もいろいろな場所で飲めるようになった。
本当に良かった。


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最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。
行政書士浅見美富、皆様のお役に立てれば幸いです・・・・




発行 浅見美富行政書士事務所

   
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